バレエの祭典、世界バレエフェスティバルのチケットを購入しました。
このバレエチケットを購入するにあたり、お金のメンタルブロックがひとつ外れたので、そのエピソードを紹介したいと思います。
お金のメンタルブロックは「はずれる」というか、「損得の基準が変わる」というのがより正確な表現かなと思います。
世界バレエフェスティバルは、バレエファンにとっては夢のようなお祭りです。3年に1度、東京で開催されていて、今年(2021年)は開催年です。名門バレエ団のトップダンサーが集結し、小作品を踊ってくれます。
西洋絵画でいうと、ダヴィンチとミケランジェロとラファエロとレンブラントとルーベンスとフェルメールとピカソとゴッホとセザンヌとクリムトの代表作を集めた美術展をやります!みたいな感じですね。
想像しただけですごいですよね。笑
世界バレエフェスティバルの存在は「バレエで世界に挑んだ男」を読んで知り、「次回の開催は必ずいく!!」と決めていました。
そう…決めていたのです!が、いざチケットを買おうとすると、なかなか踏ん切りがつかない…。笑
1チケット27,000円とお値段のこともありますが、それ以上にプログラムの内容(誰が何を踊るのか)が決定していないことが、なんとも踏ん切りつかない理由でした。笑
チケットは早めに購入すればするほど、いい席が空いています。だから、はやく買うに越したことはないのです。そんなことは頭ではわかっているのです。
それでもなかなか決断できず、ズルズルと先延ばしにしてしまいました。(5月30日に購入しました)
誤解を恐れず、失礼も承知で単刀直入にいうと
知らない作品ばかりで楽しめなかったらどうしよう。
感動できなかったら嫌だな。
文字にするととんでもなくダサい思考だとがわかるんですが、こんな感じのことでウジウジとしていました。
「ドラマティックな全幕ものが好きなのに、踊りそのものを楽しむガラ公演を楽しめるのか?」
「プロットレス(物語のない)バレエとか、コンテンポラリー作品ばかりのプログラムだったら嫌だな…」
「プログラムが公開されて、行きたいと思ったら購入すればいいのでは?」
こんな感じで『チケットを買わなくていい理由』ばかりが次から次へと頭に浮かびあがってきて、なかなか決断できなかったんですよね。笑
「プログラムが公開されたら(以下略)」なんて、なんともそれっぽく正当性がありそうですよね。
ですが、プロットレスやコンテンポラリーがゼロのプログラムなんて100パーセントありえないし、どんな基準で「行きたい」と思うのかもあやふやのままの「プログラム(中略)買う!」の決意表明。笑
結局これらは、チケットを購入しない言い訳でしかありません。
これは自分自身が『こんな風になったら嫌だ』と思っていることを明確にしない限り、「いつか観たいと思っているんだけど、まだそのタイミングじゃないから…」と永遠と先延ばしにするパターンです!!
じゃあ、私は何を【嫌だ】と思っていたかというと、「損する可能性があるのは嫌だ」でした。
もう少し具体的にみていくと
「お金を支払うからには、4時間15分のプログラム、全てを楽しみ尽くさなければならない。だからどんなプログラムになるかわからない状態で購入できない。」
「一瞬でもわからないとか、つまらないとか思ったら損。だから、抽象的な作品(プロットレス)やコンテンポラリーの作品がはいっていると、損する可能性が高くなる!」
といった考えがありました。
この場合の損とは「プログラムの全てを楽しみ尽くせないこと=私が苦手&理解できない演目がプログラムにはいっていること」です。
私は【数や時間の多い少ない】で「損得」を測っていたんですね。
- 知っている演目がある→その数が多ければ多いほど得する可能性が高いから行く
- 好きな演目がある→その数が多ければ多いほど得する可能性が高いから行く
- 知らない演目がある→その数が多ければ多いほど損する可能性が高いから行きたくない
- 苦手な演目がある→その数が多ければ多いほど損する可能性が高いから行きたくない
喜んで損したい人はいないでしょう。
また、「どんな出来事でも、自分の気持ち次第で学びになる!」みたいな考え方も無理矢理ポジティブっぽくて好きじゃありません。
でも、4時間15分のうち、4時間は楽しくて、15分だけ「よくわからなくてつまらないな」と思ったとして、それは本当に損なのでしょうか?
ダンサーのある1つの動きに衝撃を受けて(時間にしたら10秒くらいだとして)、人生観がガラッと変わったとします。でも、残りの多くの時間はつまらなかったとしたら(そんなことは現実に起こりえないのですが)、それは損になるのでしょうか?
それこそ「そういう損得の基準が好みかどうか」ですよね。
自分で選べるんです。そういう生き方を選びたいかどうか、そういう損得基準で物事を選択したいかどうか、自分で選ぶことができます。
「4時間15分のプログラムを全部楽しまなければいけない。それ以外は損!」という考え方は、明らかに自分の人生チャンスをぶっ潰しているなと思いました。それこそ大損です。
「この損得の基準で選択する人生は好みじゃない。だから、今この瞬間からやめよう!」
やめると決めたらやめられます。
決めるだけです。
決めて、そして新しい基準を選び直すだけ!
私はどんな風にお金を使いたい?
私はお金を支払って何を得たいの?
自分と対話しながら、新しい基準を決めていきます。
「魂揺さぶられる瞬間にお金を支払いたい」
そう決めたらプログラムがどうであろうと関係なく、サクッとチケット購入できるはず。
好きな演目が多いか少ないか、知っている演目が多いか少ないか、苦手な演目が多いか少ないか、知らない演目が多いか少ないか、それは私の判断基準に関係なくなったからです。
実際、これまで悩んでいたことが嘘のように、サクッとチケットを購入できました。
蛇足ですが、良席が奇跡的に空いていたんですよー。幸運すぎます!!
どんな価値観でもOK。なにを得と感じ、なにを損と感じるのかにも正解不正解はありません。
でも、その損得勘定で選んできた人生が「今」の自分、そして「未来」の自分をつくっていきます。
お金の使い方でモヤモヤしたら、それは人生の基準を見直すチャンスですね。
ではまた!