大人の教養-バレエ・絵画・映画

【雑学・教養】風景画のはじまり コローから印象派へ【西洋絵画】

こんにちは。

三上みひろです。

SOMPO美術館(東京)に興味惹かれる企画展がありまして、調べたことを記事にしました。

初心者のための初心者による美術ガイドです!

風景画のはじまり コローから印象派へ

何かを学ぶとき、まずは何からはじめますか?

自分がなにを知らないかを知ることから。

ですよね^^

企画展のタイトルをみていきましょう。

【風景画のはじまり】

↑風景画はわかる!OK!

【コローから印象派へ】

コロー?わからぬ! 印象派?知識が怪しい!

「コローから印象派へ」と副題になっているけれども、コローが人物名なのか流派なのかもわかりません。笑

というわけで早速調べてみました\(^^)/

コローさんってどなたですか?

ジャン=バティスト・カミーユ・コロー(Jean-Baptiste Camille Corot)は、19世紀のフランスの画家。バルビゾン派

優れた人物がを発表する一方で、1820年代からフォンテーヌブローの森に通い、銀灰色にくすんだ独特の風景画を確立。

コローの風景画は、神話や歴史物語の背景としての風景ではなく、イタリアやフランス各地のありふれた風景を描いたものが多い。

https://artvee.com/dl/le-matin-au-bord-de-leau/

バルビゾン派とは?

19世紀半ば、パリから60キロほど南に降ったフォンテーヌブローの森のはずれにあるバルビゾン村に集い、農村の風景や働く農民の姿を描いた画家たちを、バルビゾン派と呼んでいます。

引用:山田五郎『知識ゼロからの西洋絵画史入門』, p88

コローの他にも

  • テオドール・ルソー(Théodore Rousseau)
  • ジャン= フランソワ・ミレー(Jean-François Millet)

などもバルビゾン派。

こんな感じです。

テオドール・ルソー

The Pond (La Mare) (1855)
Théodore Rousseau (French, 1812-1867)

ジャン= フランソワ・ミレー

The Angelus
Jean-François Millet (French, 1814-1875)

なんだか牧歌的でいいですね^^

素朴でのんびりしていて、時間がゆっくり流れているかのような…

と思ったら、これはバルビゾン派の特徴らしいです。

ごく普通の農村風景を見たままに描くバルビゾン派は、写実主義の一派に含まれることも。とはいえ、①都会人から見た農村の原風景にロマンやノスタルジーを投影し、②貧困や重労働を美しく描く彼らの作風は、ネガティブな現実をも容赦なく描く写実主義とは少し異なります。

引用:山田五郎『知識ゼロからの西洋絵画史入門』,p80

た、確かに!

そう言われるとそんな感じがする!

する…するかもしれない…(自信がなくなってきた。笑)

ちなみにこちらは写実主義代表でギュスターヴ・クールベ(Gustave Courbet)の絵を比較用に選んでみたんですが。

うーん…ちょっと違いがわからないですね(°▽°)選んだ絵が悪かったのかもしれません。

The fishermanThe fisherman (1850-1877)
Gustave Courbet (French, 1819-1877)

私は北海道出身で、ほとんど札幌で育ったんですが、幼少期は超ど田舎に暮らしていたこともあるんです。

どれくらい田舎かというと、家の前に鹿がいて家に入れなかったり。熊が出たり。馬で買い物にきていた人がいたり(30年前)。熊に襲われた人がいたり。病院がなかったり。鍵をかける習慣がなかったり。テレビはNHKしか入らなかったり。そんな感じです。マクドナルドなんて余裕でありません。

で、そういう田舎出身で、主に育ったのは札幌なんですけど、東京に出てきて思うのが「田舎にロマンを感じている人、めちゃくちゃ多い!」ということ。

おそらくガチの田舎ではなく、地方都市くらいの(それこそ札幌とか)イメージなんだと思うんですけど、「田舎ってのんびりしていていいよね〜」みたいな。

その空気感が伝わってくる。笑

そういう憧れって、この時代からあったんだー!と思うと親近感わきますね(^ ^)

三上みひろ

バルビゾン派の絵は、現代でいうところの『北の国から』という感じで理解しました!!

ザックリすぎるかもしれませんが、当たらずしも遠からずって感じですよね、きっと。笑

印象派ってなに?

印象派は1860年代半ばにフランスで始まった芸術運動で、描くものの輪郭や色ではなく、描く対象の周りの光や空気感をとらえようとした手法です。印象主義とも呼ばれています。

印象派という呼び名は、港の早朝を描いたモネの作品、「印象・日の出」がもとになっています。

Claude Monet (1840-1926). “Soleil couchant à Lavacourt (détail)”. Huile sur toile. 1880. Musée des Beaux-Arts de la Ville de Paris, Petit Palais.

このモネの作品が新聞で「めっちゃ下手!印象を書いているだけ!」とけなされ、それが印象派の名前になったらしい。

ふーん。こういう絵こそ、「絵だね!」って感じしますけどね(°▽°)

絵画の役割は時代とともに変わるというから、当時は「ちょっと違うわー」という感じだったんでしょうか。

あまりに写実的だと、家に飾りにくいですが、この絵なら自宅に飾りたい!

印象派の絵画の特徴についてはこちら。

印象主義は、西洋絵画の歴史を根本から変えました。中でも最大の革新は

①ルネサンス以来の伝統である遠近法や陰影法を駆使した立体的でリアルな描写を放棄したことです。(中略)

②歴史画ではなく同時代の風景や風俗を描く姿勢はロマン主義と同様ですが、印象派はさらに進んで③光の移ろいいや瞬間の動きで「今」をとらえます。

④外光の下で作品を仕上げたのも、印象派が最初です。光や空気の「感じ」を捉えるためですが、(中略)

⑤「筆触分割」も、印象派が開拓しました。陽光の下で感じる明るくクリアな色彩を表現するために、絵具を混ぜたり塗り重ねたりせず、原色のまま細かいタッチで並べる技法。それは最新の光学理論の応用であると同時に、混色や塗り重ねで滑らかな陰影を出す古典的技法の否定でもありました。

引用:山田五郎『知識ゼロからの西洋絵画史入門』,p84

モネの他にも

  • エドゥアール・マネ(Édouard Manet)
  • カミーユ・ピサロ
  • エドガー・ドガ,アルフレッド・シスレー
  • ポール・セザンヌ
  • クロード・モネ(Claude Monet)
  • メアリー・カサット
  • ギュスターヴ・カイユボット
  • オーギュスト・ルノワール(Pierre-Auguste Renoir)

なども印象派の画家です。

私は絵を観る目というか、絵画に描かれているものを捉える眼が発達不足で、細かい技法とかがさっぱりわかりません!

書籍を読んで、「ここがこう違いますよ〜」と説明されると「ふーむなるほどー」とか言ってるけど、いざ解説なしで見比べたら

「うーん。どっちも同じにみえるよ?」

みたいな感じです。ぜんぜんわかっていません!!笑

でも、印象派の特徴である【①ルネサンス以来の伝統である遠近法や陰影法を駆使した立体的でリアルな描写を放棄したこと】はそんな私にでもわかるくらいわかりやすい!!

まずはルネサンス以来の伝統である立体的でリアルな描写の代表!

レオナルド・ダヴィンチの『モナ・リザ』さん!!

https://artvee.com/dl/mona-lisa/

拡大してみましょう。

https://artvee.com/dl/dance-at-le-moulin-de-la-galette/

どこまでも滑らか。境目がない。

どうなっているのでしょうか。すごい。

一方、エドゥアール・マネの『すみれの花束をつけたベルト・モリゾ』さん!

https://artvee.com/dl/dance-at-le-moulin-de-la-galette/

さすがに『モナ・リザ』と比較すると、タッチが『違う』ということはわかります。

一応拡大して確認してみましょう。

https://artvee.com/dl/berthe-morisot-with-a-bouquet-of-violets/

拡大するとよりタッチの違いがわかりますね。

でも、これが「筆触分割」なのだろうかー???

それはわかりません(^人^)

ちなみにこの絵のモデル、モリゾも画家です。

私はこの絵、大好きなんですよね。モリゾは美しいし、黒が綺麗だな〜って^^

印象派の絵をみるときにやってみたいと思っていることがあって

  1. めちゃくちゃ至近距離でみる(単眼鏡も持っていく)
  2. 遠く離れたところからみる

これをやりたいんですよね^^

混んでいたら無理かもですが、作品数絞って観にいけば可能なんじゃないかなーと思ってます!

バルビゾン派と印象派の違い

では最後に、バルビゾン派と印象派の風景画の違いについて簡単にまとめました。

バルビゾン派印象派
題材の風景フランスの原風景フランスの郊外。
当時パリで流行していた行楽地や避暑地。
制作方法戸外でスケッチし、アトリエで油絵に仕上げる。戸外で制作。
光や空気の移ろいの感じを捉えながら描くことができる。

彼ら(バルビゾン派)は戸外でスケッチしてアトリエで油絵に仕上げる古典的手法を踏襲。西洋絵画が完全に外光の下で描かれるのは、次の印象派まで待たねばなりません。

引用:山田五郎『知識ゼロからの西洋絵画史入門』, p80

郊外の風景を描き、戸外で作品を仕上げても、印象派はあくまで都会っ子で、流行にも敏感。そこがバルビゾン派との違いです。

引用:山田五郎『知識ゼロからの西洋絵画史入門』, p88

ルノワールの『ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会』も当時の流行スポットだったんだろうなぁ。

色彩豊かで好きな絵です。

ただ、どうしても…パッとみた感じビアガーデンにみえる!笑

https://artvee.com/dl/dance-at-le-moulin-de-la-galette/

札幌大通り公園のビアガーデンはこんな雰囲気なんですよ。本当にそっくり。

東京にきてみたら、屋上でしかビアガーデンやっていなくて驚きました。

特に手前の紳士淑女の皆さん、札幌でお会いしませんでしたっけ?ってくらい札幌感がある。本当に。

話を戻しまして。笑

企画展の展示では「章立て」があります。第1章、第2章、第3章…とすすむにつれて、学芸員さんが意図したストーリーが展開されていきます。

このストーリーは美術作品が持っている意味をもとにつくられていきます。

展示の順番も意味があるんですね。

公式ページを確認したところ、こんな章立てになっていました。

第1章 コローと19世紀風景画の先駆者たち

第2章 バルビゾン派

第3章 画家=版画家の誕生

第4章 ウジェーヌ・ブーダン

第5章 印象主義の展開

第3章と第4章で使われている言葉に関してまったくの無知なのですが、なんとなく企画展の意図を掴めそうです^^

三上みひろ

企画展のタイトル『風景画のはじまり コローから印象派へ』の意味がわかってきたような気がします!

おわりに

「アウトプット前提でインプットしましょう」という言葉を耳にされたことがあると思いますが、この記事はまさにそれです。

企画展のタイトルを紐解いただけで、理解が2段階くらい掘り下げられたように思います!やってみてよかったです。

初心者でも恐れず、どんどん学んだことを記事にしていきましょう。

初心者ならではの視点も十分に価値があるものですよー。

ではまた!

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三上みひろ
これから書きます